サラリーマン小説って昔から一定の人気がありますよね。
長い電車通勤をしているサラリーマンをターゲット層として、駅構内で売られているイメージです。
昔だったら高杉良なんかが人気だったのでしょうか。
最近は池井戸良一先生一択な感じですよね。半沢はもちろんですし、自分も何冊か読みました。面白いですよね。
そんなおじさんたちの通勤のお供に最適なサラリーマン小説の一つに隠蔽捜査というタイトルのシリーズものがあります。
僕はこの「隠蔽捜査」シリーズこそが、現代の悩める堅物サラリーマンのバイブルになるのではないかと考えています。
この記事では、孤高のサラリーマンになるためにおすすめの小説、隠蔽捜査を紹介したいと思います。
人間関係に悩むサラリーマン必読!傑作「隠蔽捜査」を読んだ感想
隠蔽捜査シリーズってどんな小説?
サラリーマン小説の傑作と言っておいてあれなんですが、ごめんなさい隠蔽捜査は警察小説です。
毎度そこそこ大きな事件が発生して、その中で主人公の竜崎がどう振舞って解決に導くのかを描いた小説です。
「いや、全然サラリーマン小説じゃないじゃないか!」
これが、不思議とサラリーマン小説と読めるんですよね。
事件が発生したときに、あぶり出される問題の多くが、人間関係だったり、派閥争いだったりといった警察組織の話です。
この警察組織の問題、そのまま「会社」に読み替えて読むことができるんですよね。
隠蔽捜査は一風変わった主人公竜崎が、警察組織を舞台に実直に仕事を進めていく中で、その組織が持つくだらなさを暴いていく痛快サラリーマン小説であると言えます。
隠蔽捜査シリーズはどうしてサラリーマン小説の傑作なの?
僕も20年サラリーマンをやってきて、最近疲れ果てているわけです。
何に疲れたかっていうと、行きつくところは人間関係、いや人間そのものです。
アルコールが抜けた頭で、ごく冷静に考えてみると、仕事自体はさほど大変でもないし、悩むものでもありません。
でも、仕事にまつわる上司であったり客であったりの「くだらなさ」に疲れ果てているわけです。
隠蔽捜査の主人公竜崎って、そんな人間関係が屁でもない立ち振る舞いをするんですよね。
息子の不祥事で降格扱いされても、気にするそぶりも見せずに淡々と仕事をしているし、どんな偉い人と衝突しても、自分の意見を通すんですよね。
とにかく仕事をする。自分がやるべきことを自分が正しいと思った方法で忠実に実行すしていく姿は、サラリーマンとして人間関係につかれた僕には響きまくるのです。
「いいから仕事をしろ」
人の事を考えて、立ち振る舞いばかりを気にしている自分は、隠蔽捜査の主人公である竜崎を見ていると、こんな風に言われてしまいそうです。
隠蔽捜査に学ぶストレス解消方法
孤独なサラリーマンにおすすめの隠蔽捜査 というわけです。
サラリーマンとしての生き方の最適解が、そこにはあるような気がします。
無駄なことはやらないで本質だけをついていく。
正直にいきているからストレスも少なめ。
それが、隠蔽捜査の主人公竜崎のスタイルでしょう。
僕らって、子供のころはストレスなんて感じていませんでしたよね。
それがサラリーマンになるとストレスがどんどん大きくなってきて、ストレスに飲み込まれそうな日々です。
どうして子供の頃はストレスを感じていなかったのでしょうか。
正直に生きていたからなのかなと最近思います。
サラリーマンになって、人間関係や評価を気にするあまり、微妙なウソをつきだした結果、ストレスが爆増したのでしょう。
ですから、隠蔽捜査の主人公である竜崎のように、「正直に無駄なことをやらずに、やるべき仕事を忠実にやる」
というスタイルを貫けば、ストレスを感じずに生きられるような気がしています。
隠蔽捜査シリーズを読んで仕事をしよう
そんな組織の論理などお構いなしの主人公が警察組織のなかで活躍する小説。
サラリーマンとして20年生きてきて、決して満足のできる評価も受けずに、なんとなくあと20年サラリーマンを続けることになるのかと、どんよりしている自分にとって、最高の刺激になる小説です。
僕は人の評価ありきで気持ちが動いてしまう、どうしようもな俗物なわけです。
評価が低いとついモチベーションを落としてしまって、ろくに仕事もしなかったり転職をしてしまったりする人間です。
隠蔽捜査読んでいると、はっとしますよね。
読者の僕からみると、どう考えても優秀な主人公竜崎が、ある意味左遷させられていて、そんな不遇の身でありながらも、真っ当に仕事をしているわけですから。
人の評価とか人間関係で消耗している暇があったら、黙って自分の仕事をしないといけないなと、妙なモチベーションを与えてくれる最高の小説です。
ぜひご一読を。
- 作者: 今野敏
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/02/09
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