昨年まで教えていた若手社員Aくんが窮地に陥っています。
彼は見た目は好青年で、やる気が漲っていて上昇志向が身体からこぼれ落ちているような人材なんですけれど。
入社した際には期待の新人としてもてはやされていましたし。
自分も大いに期待し、厳しく育てようと指導に力を入れた。
いや、力んでしまったといのが正直なところです。
指導をはじめてすぐに気がついてしまいました。
あ、期待はずれ。それもとんでもないほどの期待はずれ。
そこで緩く、作業要員としての戦力を育てようと意識を変えるべきだったのですが、自分は気の持ちようを器用に変化させることができるタイプではないし、一度力んで身体を弛緩させるのはそれほど簡単なことではありませんでした。
結果、強くあたるようになってしまったのです。
みんなの前で、少し声を荒げて注意をすることが多くなってしまった。
そして、社内でイメージがついてしまった。
Aくんは思ったよりもできない奴。
しかしながら1年と少し指導を続けてきて、自分も諦めたのか身体の力が抜けてリラックスして接することができるようになってきて、Aくんの覚えもよくなってきました。
Aくんは致命的に集中力がないので、その段階でも同年代の水準には達していなかったのだけれど、それでも成長しているのは間違いありませんでした。
もう少ししたら、ましになって、ひょっとしたら化けるかも。
そう感じている最中に自分が異動となってしまいました。
少し距離を置いて、Aくんの様子をうかがうことになったのですが、成長がストンととまっているのは明らかでした。
彼と同じ担当のメンバー全員が、仕事ができないイメージのAくんに雑用のような面白味のない仕事をなんの考えもなく与えるようになったからです。
残念な事にAくんもそんな雑用を満足にこなすことができていませんでした。
できないというイメージを植え付けてしまった自分にも大きな責任があるし、Aくんの能力にも問題があるし、親身に育てようとしない現メンバーにも問題があるでしょう。
Aくんは今の部署では手に負えない。
そんな事が上層部の話題にあがるようになっていました。
自分もヒヤリングをされましたが、Aくんが臨むのなら、まだチャンスを与えて欲しいと話すようにしていました。
臨むのなら。
前置きが無茶苦茶長くなりましたが、一度職場でダメな人扱いをされてしまうと、挽回するのがとても難しい。
そんな時の対処方法は3つ程度で、どれも割り切りが必要でしょう。
目次
あきらめて不良社員の道を進む
仕事は給与のためと考え、黙々と働く。成果が出ようが出まいが、関係なく淡々とクビにさえならないように働く。
チャレンジャーとして大胆に仕事をする
どうせ期待されていないのだし、失敗してもこれ以上悪くはならない。
自分のやりたい企画や仕事にどんどんチャレンジして、自己満足をえる。
もしかすると成果があがってできない人のイメージがなくなるかもしれません。
とっととやめる
結局これが一番のような気がします。
一度ついたイメージは中々消えてくれません。人事査定にさえ影響が残ります。
転職して一度リセットするのが得策でしょう。
自分もとある会社で最低イメージがついた事があるのですが、今の会社ではそれなりにできそうなイメージ作りに成功しています。
特に若いうちであれば、自分に悪いイメージがついているなと思ったら、すぐに転職をしてしまった方が良いでしょう。
再スタートは少しでも早い方が良いのだから。
できない人のイメージ作りに強く貢献してしまい、Aくんには悪い事をしてしまいました。
人前で人を叱ってはダメな理由の1つにこれも挙げられます。
今、彼にアドバイスができるとしたら、あと数ヶ月だけ、自分のやりたいようにどうどうと働いてみよう。それでダメならとっとと転職してしまおう。
完全にお前が言うなという話しですが。