
上をむいて歩けるような人達に人気があるような、そんな本はやっぱり人気が出やすいですよね。
下を向いているような人が好む本というのは、どうしてもメジャーになりにくい。そんな世の中のような気がしてなりません。
でも少しの例外はあって、それは下を向いて歩いている人にも人気で、直木賞も受賞したのが作家白石一文さん。
下を向きながら本を読みたい人にはぜひオススメしたいですね。
白石一文の世界を堪能するオススメは以下の3つの小説です。
「快挙」〜夫婦生活の1つのバイブルとさえ言える快作
これほどに淡々と夫婦生活に寄り添う小説はなかなか見つかりません。
自分は独身時代にこの本を読んで、ほのかに香る夫婦の素晴らしさに憧れました。
半分結婚をあきらめていた40歳で、素晴らしい出会いがあり結婚をすることができました。
それから数年、何度かこの本の事を見返してしまいます。
今日、少し悲しいことがありました。
妻は虚ろな顔で横になっています。
また、この本の事を思い出してしまいました。
白石一文さんの快挙は、自分たち夫婦に起こった今のところ唯一の悲しい出来事にそっとよりそってくれました。
どれくらいの愛情〜20年後の私へ
4つのお話が掲載された本です。中でも「20年後の私へ」が素晴らしい。
自分が素晴らしいと思う小説の1つのパターンとして、「こういう人になりたい」という登場人物がいるというものがあります。
このお話に出てくる、いつもDVDを貸してくれる”彼”はまさにそんな感じです。
そして、タイトルそのままなのですが、20年前の自分から届く手紙の素晴らしさたるや。
生きているとたまに出会うことができる、どうしてそんなに人に優しくできるの?っていう人たちが出てくるのも白石一文さんの小説の醍醐味で、それがよくわかるのがこの「どれくらいの愛情」です。
ほかならぬ人へ〜直木賞受賞作
代表作の1つでもあるでしょう。この本は以下セリフの秀逸さにつきると思います。
「ベストの相手が見つかったときは、
この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」
「だからさ、人間の人生は、死ぬ前最後の一日でもいいから、
そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。」
ベストの相手が見つかって自分も結婚ができました。
もしかするとそんなベストなタイミングを逃さないで、最高の伴侶と出会うことができたのもこの小説のこの言葉があったおかげかもしれません。
しかし、白石一文をあまり好きではないという人が多いですね。
昔合コンで知り合った本好きの女の子に紹介したら、二度と本の話はされなかったですね。
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