その昔、今から20年ほど前は暇があればタワーレコードへ通っていました。
毎日のようにCDを購入して、持て余した時間を食いつぶしていたのです。
聴いていたのは主にロックです。
イギリスやアメリカを中心として、少し暗めのオルタナティブなロックを熱心に聴いていました。
当時、少し歳の離れた大人と話すと決まっていたかのように、頻繁に言われるセリフがありました。
「昔はロックを聴いていたんだけどねえ」
そんなお決まりのセリフを耳にするたびに「そうかそうか。ロックを聴かなくなったからアンタはつまらない大人になってしまったんだと、これまたお決まりのセリフを心の中で吐き捨てていました。
自分は大人になっても、ずっとロックを聴いていて、尖った人間でいるだろう、そう信じて疑っていませんでした。
だが時は経ち今じゃ小太りなアラフォー、気がついたことは、ロックなんて殆ど聴かなくなっていたということです。
ロック以上に世界を変えるものが見えてくる
さて、どうして大人になるとロックを聴かなくなるのでしょう。
忙しいからでしょうか。
でも、酒を飲みに行く時間はあるわけだし、音楽を聴くことにそれほど多くの時間は必要ないでしょう。
自分はこう考えています。
「ロック以上にロックな世界が見えてくるから」。
ロックミュージックに若い世代が惹かれる理由の1つに、反体制的な精神というものがあります。
音楽それ自体よりも、音楽と共に鳴らされる精神性に強く惹きつけられてしまいます。
そんなロックの精神性を1番強烈に表しているのが「世界を変える」という言葉です。
しかしながら、大人になるとロック以上に世界を変えるものが見えてきます。
ビジネスであったりテクノロジーであったりです。
ロックよりもAmazonやGoogleやAppleが世界を変えた
大人になって社会に出るようになると、世の中で起きていることが学生の頃より見えてくるようになります。
大人になって見えてくる世界では、世界を変えるビジネスであったりテクノロジーが登場してきます。
ここ20年。自分が社会人になってから、沢山の世界を変える革命が起きました。
Googleは検索という発明によって、世界中の知を人々に提供することに成功し、AppleはiPhoneによって手のひらに収まるパソコンを世界中に広めました。
ここ20年の間、これら以上に世界を変えた音楽はあったでしょうか。
もちろんヒットした曲は沢山あります。
良いなと思った曲も当然。
でも、自分たちがロックに求めていたような世界を変える、革命的な音楽は果たして。
人は大人になるとロックを聴かなくなります。
ロック以上に革命的な世界の中で生きることになるからなのかもしれません。
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