上司が部下に「逃げ癖がつく」と言ってはいけない3つの理由

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先日中途採用で入社した若手社員が、退職の意を上司に伝えている場面を目撃しました。

「また辞めるのか。そんなことだと逃げ癖がついてしまうぞ」。

そんな言葉が飛び交っているのを耳にしました。

ものの数分の面談の間で、4回や5回はそんな事を話していたような気がします。

 

逃げ癖がつく。結構なパワーワードです。

これを言われると、なんだかいけない事をしているようで、自分の決断を翻してしまいそうになります。

逃げ癖がつく。本当に強い言葉です。

でもだからこそ「逃げ癖がつく」と人に言う時は、気をつけなければなりません。

いや、むしろ人に「逃げ癖がつく」などと言ってはいけないのかもしれません。

 

 

逃げる必要がある人が逃げられなくなる

逃げ癖がつくというセリフが1番よく聞かれるのは、転職の意を伝えた時などではないでしょうか。

会社や仕事は相性があります。

同じ仕事をやっていても楽しくできる人と、苦痛でしょうがないことがあったりします。

中では苦痛のあまり、帯状疱疹ができてしまったりと、身体に異常が認められる場合などもあります。

 

そんな体に異常をきたすレベルになってしまうと、人は当然退職を考えます。

そんな時に言われる言葉「逃げ癖がつくぞ」。

身体が拒否反応を起こすレベルで嫌になっているのに、魔法の言葉によって逃げることができなくなります。

 

本当に逃げなければならないことが、人生には何度かあります。

そんな時に逃げられないと、精神がおかしくなってしまったり、最悪の場合は命を落としてしまうことになりかねません。

 

「逃げ癖がつく」。気軽に発して良い言葉ではありません。

 

根性論に流れがち

会社を辞めたい時、そこには理由があります。

会社の待遇が悪かったり、職場環境に改善が必要だったり、将来のキャリアプランと合致していなかったり。

 

もしも辞めようと考えている部下を説得したいのなら、辞めようとしている理由をヒヤリングして、上司として、会社としてそこに歩み寄ることができるのかを検討するべきでしょう。

「逃げ癖がつく」なんていう暴力的な言葉で、無理やりつなぎとめようとするのは、「辞める理由」を見つけて、改善することを放棄していることになります。

全ての行動には理由や理屈があります。

「辞め癖がつく」なんて言っていると、この理由を探そうとしない、ただの根性論を振りかざすことになりがちです。

 

 

わかっていないくせに人の将来を台無しにする

ずっと同じ会社で働いて20年、30年。

大分減ってきましたが、今でもそんな上司が大半ではないでしょうか。

そんな人達がよく言います。

「逃げ癖がつくぞ」。

 

どうして逃げ癖がつくと思うのでしょうか。

自分は転職をした経験もないのに。

その会社にいることがベストの選択だったのでしょうか。

 

自ら動いたことがないような人たちに限って、逃げ癖がつくなんていう事を軽々しく言ってきます。

何事も辞めた先には、新しい可能性が広がっています。

もしかすると、その新しい場所は人生を最高の物にしてくれるのかもしれません。

「逃げ癖がつく」なんて言って、そんな最高の物を台無しにしてしまう権利がはたしてあるのでしょうか。

 

そもそも余計なお世話

逃げ癖がつくっていうことは、たしかにあるのかもしれません。

でも、それは逃げを繰り返した先に見えてくるもので、本人は後に痛感することでしょう。

先に言われても響きません。

逃げた先がどうなるかなんて、誰にもわかりません。

「逃げ癖がつく」。

たしかにそうかもしれません。

でも、親でも家族でもない人に言われる言葉ではないでしょう。

つまり余計なお世話ということになるのです。

 

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